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トップの提言〜ものの考え方〜

報連相の必要性

 報連相とは報告、連絡、相談の略であり、マネジメントを行うのに最も大切な行動である。報連相がスムーズかつ適切、円滑に行われなければ経営はうまくいかない。しかしその事に気づいていない経営者、幹部があまりにも多いので、二つの点から論じ、大切さを再認識して頂きたいと思う。 
 第一に、環境適応には必要だという点を再認識しなければならないということである。人間は環境適応するために五感が脳に直結しており、生きるために不適な環境は不快になることで環境適応しやすくなっている。暑ければ汗が出て体温調節し暑いと感じ涼を求める。寒ければセーターを着る。五感が脳に直結しているので快適な環境に自らの身を置く事が可能になる。しかし企業は営業マンが競合に負ける理由や自らの失敗等企業にとって環境適応上好ましくない情報を得たとしてもそれが判断すべき上司、社長に伝わらない。悪い情報こそ伝えるべきなのに逆のことが起こっている。担当者の尊厳欲求不足のために自らを評価してもらえる情報は伝えるが、自らの失敗等尊厳を傷つける情報は伝わらない。よくよく考えていくと危険極まりない。企業の寿命は30年と言われるが、本来企業は人間よりも寿命が長いはずなのに短命なのは報連相の悪さがかなり重要な問題だと思う。
 第二に社員がどうすれば報連相をしたくなるかである。水は高い所から低い所へ流れる。誰でも嫌なことはしたくないので、経営に「根性」を求めてはならない。答えは権限委譲との関係作りである。シナリオはこうである。「社員を信頼して思い切って任せる。しかし責任は上司が取る。責任の取り方は二つ。結果を出すことと、批判を自らが受けること。部下のせいにはしないこと。」しかし責任をとれるには部下の考え方や動きを逐一知っておらねば責任は取りようがない。従って責任をとりうるために報連相を密に行ってもらうことが大切となる。もし報連相が不十分な場合は失敗は部下の責任にせざるをえない。誰でも自らの考えで思い切って仕事をしたい。しかし失敗の不安から行動出来ない。そこで報連相が救世主となる。

2010.3.19.


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