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出来る社長と出来ない社長の違い

 私の経験則では出来る社長と出来ない社長はそれぞれ明らかな共通点がある。出来る社長は「うちの社員はすばらしい」と言い、出来ない社長は「うちの社員はダメだ」と言う。社員に対する信頼関係が違うのである。
 しかし出来ない社長が能力が低いかというと決してそんなことはなくて、かえって出来ない社長の方が優秀かもしれない。それではなぜそうなるのかを考えてみたい。
 出来る社長と出来ない社長の違いは、しくみの作り方に決定的な違いがある。出来る社長は出来ない社員を大切にする。そして出来ない社員でも出来る仕事の仕方、プロセス、システムを設計する。仕事に意味と価値を持たせ、誰でもすぐに成果をあげられるような業務プロセスを設計するのである。すると誰もが力を発揮することが出来る。従って「うちの社員はすばらしい」となる。その最たるものがバーコードである。数が数えられない人を使わざるをえないからバーコードが生まれ、それを使って正確に数を数えてくれたら「すばらしい」となる。一方出来ない社長は出来ない人の気持ちが理解出来ない。人は誰でも自分と同じぐらい出来てほしいと望み、出来るはずだと厳しく指導する。しくみは作らず努力と根性を要求する。社員は一生懸命その期待に応えようとするが、残念ながら出来ない。すると怒られ、自信をなくし、ビクビクしだし、悪循環に入り込む。焦れば焦るほどうまくいかなくなる。そもそも事業とは普通の人がすばらしい価値を当り前に生み出せるものでなくてはならない。自分と同じようなスーパーマンなどどこにもいやしない。無いものねだりをしてはいけない。大切な事は経営者の心がけなのである。人を活かそうとするかどうかである。そして一人一人のありのままを見つめてその人で十分に成果をあげられるようなしくみをいかにして作り出すかに自らの能力を使えば良い。自分が成果をあげられるのではなく社員が成果をあげるのである。自分がスターではいけない。あくまでスターは一人一人の社員でなければならない。

2010.3.1.


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