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お知らせ

社内季刊誌 ツバメ通信第17号発行(巻頭言より)

2014年03月01日







■ツバメ通信第17号より

巻頭言 2014年の年頭にあたり
【 蛻変(ぜいへん)を断行し、日本一へ 】

代表取締役社長 石川喜平


 明けましておめでとうございます。
 昨年2013年は、我が社にとって大きなターニングポイントだったと思います。1月2日にコンピュータ端末を全て入れ替える決断をし、さらに5年ぶりの就業規則の全面見直しをしました。ラジオ体操の開始時刻を8時にし、有志によるフィロソフィー勉強会を7時半からにしました。さらに、チラシ配布による大量の従業員採用をし、現在も進行中です。
 また、設備投資に関しても、10年から20年間使用してきたシェーンや2色印刷機の入れ替え、B1Sのオーバーホール、高速のオーバーホールと改造、新マシンの導入、さらに屋根にパネルを設置して太陽光発電をする決断(7月1日より開始予定)、輪転やドイツの機械への品質向上のためのセンサー設置、蛇行防止装置の取付け等々数々の決断をし、現在も進行中です。
 そしてさらに、品質保証部の強化と改善、戦略倉庫の前の道路の舗装(コンクリート化)、リフトや社用車の入れ替え(ハイブリッド車)等々も行ってまいりました。
 私が社長になって、干支でいう一回り、12年間が過ぎ、増収増益の中、経常利益率も12%以上を達成できたものの、組織の在り方について、多少制度疲労が出てきたと思います。
 奇しくも、昨年は同い年の安倍総理の二度目の政権発足の年とあって、過去3年間の民主党政権による政治の失敗から一気に抜け出し、参議院選挙による自民党大勝で、ねじれが解消されました。株価も8000円から16000円と倍増し、1ドル80円から100円超まで円安となり、輸出産業を中心に経済は飛躍的に明るさを取り戻しました。
 まさに、アベノミクスの大成功です。さらに、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催決定は、日本国民に大きな希望と勇気を与えてくれました。よく、ひがみ根性で「良くなっているのは、輸出関連の大企業ばかりで、我々中小企業は何も実感がない」という意見を聞きますが、それは何のフィロソフィーや戦略も持たず、過去10年間自らを変革する努力を怠った人の愚痴にすぎないと思います。
 業態変革まで行ってきた富士フィルムや日本たばこ産業(JT)、さらには我が師稲盛和夫氏が行った日本航空(JAL)等々、時代に合わせて自らを蛻変(ぜいへん)してきた企業、組織のみがこの変化の激しい時代の荒波を乗り越えてきたのです。
 そして成功の上にあぐらをかいてきたパナソニックやシャープが大変な事になったのは周知の通りです。しかし、それに気付いた両社が今、大変革途上ではあるものの、かなり明るい光が見えてきたのも事実です。要するに過去にどんなに失敗をしても、自らを蛻変し、光を見出し、全社一丸となってフィロソフィーと戦略を理解し、「見える化」を行い、市場に飛び込んで、自分の目で見、自分の耳で聞き、自分の体で改善・改革を行って初めて、幸せが構築出来るのです。
 どんなに時代が変わっても、この事は永遠に変わる事のない哲理なのです。
 そして我が社も、フィロソフィー・戦略・戦術・数値目標という4つの丸を絶えず強く意識して、この激しく変わる世の中で蛻変に次ぐ蛻変を断行し、明るく豊かで幸せな年にしていこうではありませんか。

2014年1月30日(59歳)

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『蛻変(ぜいへん)』…蝉が幼虫から成虫になるときに脱皮しながら生態変化することをいう。蝉は、この脱皮を自然環境のもとで、本能的現象として行う。しかし、企業は変化する社会環境のもとで意識的に行わなければならない。低成長時代に突入した今、企業もそしてあなた自身も蛻変することが求められている。(帝人 大屋晋三)
『種の起源』…生き残るのは、種の中で最も強い者ではない。種の中で最も知力の優れた者でもない。生き残るのは、もっとも「変化」に適応する者である。(チャールズ・ダーウィン)


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「蛻変を断行し、日本一へ!」ツバメ通信第17号を読んで

河合 孝一郎

 心の冷たい人間が心暖かい人間へと成長し、他人に愛情を示せるようになるための唯一の道は、「自分は心の冷たい人間だった」と認めることではないだろうか。優れた仕事が出来る様になるためには「自分には何かが足りなかった」ことを自覚することではないか。それが人間を変え、成長させる第一歩ではないのか。
 ツバメ通信第17号に掲載された石川社長の「蛻変を断行し、日本一へ!」は常に新しい世界に向かって蛻変し続けることの素晴らしさが詰まっている。これに匹敵できる唯一のものは映画「山猫」の中の素晴らしいセリフ、「変わらずに生きてゆくためには、自分が変らねばならない」のみである。隻眼のアランドロンの燃えさかる炎の様な演技。
 この中で社長は時代に合わせて自らを蛻変してきた企業のみが生き残ると言い切る。過去にどんなに失敗をしても自らを蛻変しみんなで幸せになろうと私たちをいざなう。悩むことは進んでいること。苦しい時は成長している時。自分を変えたい者のみがこの文章を糧にできる。あなたはこの文章を読む前と読んだ後とは違う人間になっていることに気づくだろう。
 しかし、感銘を受けるのは「馬鹿らしく思えるぐらいやり続けること」と「常に変り続けること」が表裏をなしていること、実はどちらも大切なことだということを誰よりも知り、フィロソフィーを通じて語ってきた人物が書いたものだからである。
 「心を高めること」と「蛻変すること」で人間はどこまで変われるのか。それが知りたい者は、稲盛和夫氏がJALで成し遂げたことを見ればよい。

- 2014 2.28 -


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