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トップの提言〜ものの考え方〜

結果を出すということ

 経営では結果を出さなければならず、結果の良し悪しが評価の基準になっている。しかし、その当り前のことが実は企業を疲弊させる原因になることが多い。今回は結果主義について考えてみたい。               
1.結果にも良い結果と悪い結果がある
 結果を出すには行動しなければならず、行動するにはその必要性や意義に関する意識付けが必要である。意識と行動のプロセスを経なければ結果は出ない。しかし結果にも良い結果と悪い結果がある。良い結果はお客様も社員も喜び合うべき結果であるのに対し、悪い結果はお客様や社員、他の部門関係者の犠牲により自分だけ結果を出す結果であり、自分が結果を出す為に他を犠牲にしている。また、結果を出すために種まきを行わず、短期的な成果を追求するために長期的には問題を含むことになる。結果を重視すると往々にして言葉の大きい人が結果を出し評価され、企業を疲弊させる。
2.悪い結果を出させないためには
 稲盛さんは「他者の犠牲で結果をだしてはいけない」と言われており、ユニット間の取引では「何が正しいか」で判断し、自分の為に他を犠牲にする判断はしてはならないとしている。そしてガラス張りの経営をとり、そのような行動をとった人はそのことが誰にでもわかるようになっており、他者から糾弾されるようになっている。「全員が審判員の目を持つ」というフィロソフィーが有効に機能して、利他の経営を行わせている。
3.結果を必ず出すためのからくりについて
 通常の目標管理は一ヶ月単位で評価するので、まずうまくいかない。人間は弱いので、三日坊主になりなかなか決めたことを決めた通りに出来ない。しかし結果を出す期間を毎日「結果を出すまで帰らない、結果が出るまでチームで協力し、もしそれでも出ないなら他のチームの応援を受ける」ということにすると話しは変わる。目標管理は上司と部下の関係ではなくチーム全員の取り組みとしてかつ全社的協力関係で行えば必ずうまくいく。

2011.2.3.


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