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トップの提言〜ものの考え方〜

無駄の無くし方(長山宏の話)

 「なぜこんなに働いているのに利益が出ないのか」という切実な悩みを告げられることが多い。よくよくお話しを聞いていると無駄だらけなのである。実際に実務を拝見させて頂くと、出てくる出てくる。会社によって無駄の内容は異なるが、ほとんどの会社の業務のうち約30%程度は無駄だと考えられる。今回は、なぜ無駄が表に出ずに改善出来ないのか、そしていかにすれば無くなるかについて考えてみたい。
 まず、なぜ無駄が表に出ないのかについて考えてみたい。これは各担当者の涙ぐましい自己重要感の表れと考えられる。日本の会社は担当者が自らの業務範囲を自ら考え、工夫し、良かれと思って仕事を行っている。努力し工夫していることはすばらしいのだが、それはあくまで独りよがりなのである。とても狭い自分の見える範囲のことを自分で判断しているので、お客様に役立つ仕事になっていない。つまり仕事の良し悪しはお客様が判断するものであり、自分が判断するものではない。お客様が「お金を払ってまで欲しい状態」がゴールだとすると、その状態を作るために全ての仕事が価値の連鎖でつながれていなければならない。自分が行った仕事はお客様が喜んで下さる状態にどうつながるかが良く考えられていなければならない。自分で判断せず後工程がお客様として後工程の人から評価してもらわなければならない。後工程の人が自分が作らなければならない成果を作るために(1)自分では出来ないこと(2)自分が行うよりは他部門にやってもらった方が効率が良い仕事をやってもらえているかの評価をしてもらうのである。どの会社でもコミュニケーションが不足しており、この点がまずコミットされていない。
 次にお客様からお金をもらえている仕事が無い時の行動である。あのトヨタは「仕事が無いなら仕事するフリはしてはいけない。立っていろ。」と言うと聞いた。営業の必要性がリアルに表現されるのである。これは担当者ではなく、営業やマネジメントの責任を顕在化させるのである。すると、やるべきことをやれていない人にプレッシャーがかかり、対策をこうぜざるをえなくなる。全員営業をするもよし、商品開発をするもよし。会社の事業計画を前にすすめる行動がとられる事につながる。

2010.7.28.


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