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トップの提言〜ものの考え方〜

「セブン-イレブン流心理学!」を読んで

 感想文:管理部 白川勝仁

最近のお客は陳列にボリューム感がないと、まったく同じ商品でもなかなか買ってくれない。売れ残った余りものではないかと考えるからである。
ボリューム感がないと、その商品の価値と無関係に、お客は貧相なイメージを受けてしまう。逆に商品が豊富にあるとその商品の価値とあまり関係なく、豊かな実りをイメージする。現に、ボリューム感を出したものは、そうでないものと比べてよく売れる。
今は、お客の心理を斟酌せず、自分の都合で対応している小売りが多すぎはしないか、経済が低迷している時は、お客の心も冷えがちであり、そのため、店に豊かさや温かさにつながるイメージを求めてくる。それなのに売る側の都合で売場を貧相にしていたら、来店する時以上に寒々とした気持ちになって帰りかねない。
これは、売る側の人たちが心理的に誤解していることだ。消費が冷え込んでいたら、むしろ、ボリューム感を出す必要がある。セブン-イレブン本部が計算してみると、廃棄によって生じるロスより欠品によって生じるロスのほうが多いという。
それと、売る側の人たちが誤解している点、不況だからものが売れない。それならいろいろなものを数多く揃えれば、少しは売上が伸びるだろうと考えることだ。今扱っているものが売れないと、あれもこれもといろいろな商品を仕入るようになり、売場は極端なくらい少量多品種になる。ところが現実に売れるアイテムはそんなにないから死に筋商品が氾濫する。一方で、売れ筋商品が欠品する可能性が高くなる。
 
以上の記述から、お客の心理を第一に考えた経営がいかに大切か、他の業界にあっても学ぶべき点は多々あると感じた。

2017.8.31.


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